祝アニメ化! [アニメ感想]
スレイヤーズはアニメから入ったので、このたびのアニメ化はとても嬉しくかつ期待しています。
久しぶりにSS書いてみました。ウォーミングアップということで。
注:とあるガウリナサイトにささげる予定なので、ちょっとカップリング入ってます
他人の二人
「やっほー愛しの地鶏ハーブ焼き♪」
「おい、それは俺の…」
「うっさい、さっきあたしのミートボール食べたでしょ。おあいこ!」
「オマエのさっきってのは、三日前のことかぁ?」
質量共にただごとではない料理の山を、舌戦乱戦争奪戦を繰り広げつつ平らげる二人。
旅人…というだけでも珍しいのに、ひとりは魔術師で少女。もうひとりはイカニモ腕の立ちそうな剣
士ときている。
そんな二人が連日この状況。本人たちは『普通に飯を食ってるだけ』と本気で思っているらしいとこ
ろが怖い。
悪目立ちもここまで来れば何かの冗談のようで、周囲は注目どころかむしろ見ないふりモードに突入
している。
昔の人は言いました。触らぬ神にたたりなし。
ところが。
二人がまったく無視されているかというと、そうでもなく。
強そうだと見て絡んでこられたり、厄介ごとを持ちかけられたり。あとは…
「ねえ。ツレの金髪さん、あなたの何?」
こっそり話しかけてくるウェイトレス。という慣れきった状況に、リナがぼんやり考える。
(気になるなら、本人に聞きゃいいのに全く)
「他人よタ・ニ・ン。で、このメニュー端から全部二人前持ってきて」
あっさりと返された娘は、不審げな目で少女を見下ろしている。
「ん、まあ親子や兄妹には見えなかったんだけど…」
呟いて佇むウェイトレスを見上げ、リナは面倒くさそうに返事をした。
「血縁じゃない。同郷でさえないわ。
なにかの約束や誓いがあるわけでもないし。
過去の因縁も未来の契約もなし。
恩もなければ貸し借りもなし。要するに他人、そうでしょ?」
「そうなの…かな?」
娘は思わず自分の両腕を固く抱きしめる。
今まで同年代の女性の口から、こんなクールな言葉を聞いたことがない。
冷静さが、怖い。
すぱりと言い切った少女の口調は、なぜか年齢を超えた重いものを感じさせた。
「あー」
少女が目線で「それで?」と促したので、娘はあわてて口を開く。
「そ、それじゃ私が彼を口説いても全然問題ない…よね?」
「どおぞ~」
本当に?と聞き返しそうになった娘は、口を閉ざしてその場を逃げ出そうとして…。
「あ、最後に言っておくけど」
「はいっ!」
「あたしの食事の邪魔はしないでよね。じゃ、早く注文の品お願い」
飛ぶように厨房へ逃げ込みつつ、娘は首をかしげる。
(あの子にとって、彼は夕食以下なの?)
そんなことはないと思う。彼女の直感が『違う』と告げている。
この店は宿屋も兼ねているから、カップルの客は珍しくない。幼い頃から人を見る目は養ってきたつ
もりだから、虚偽の申請なら見抜く自信もある。
でも、彼らは。あんなに息がぴったりに見えるのに…。
『君がいて僕がいて、世界はふたりのためにある~』と言わんばかりに日々互いの気持ちを確認しあ
っているような凡百のカップルとは、雰囲気が全く違う。
そう思ったから聞いてみたのに。
まさか、あそこまでぴしゃりと切り返されるとは思わなかった。
(なんだろ。私なんかが何をしても無駄、って感じ?)
目の前で扉をがっちり閉められた気分。まだ本人と話もしていないのに。
伝票をカウンター上に吊るしたとき、金髪青年が入ってくるのが見えた。
「…よしっ!」
(戦う前から負けてどうする自分!もしかしたら全部私の勘違いかもしれないんだし。
ぶつかってみなきゃ何も始まらないファイト自分!)
根が素直でポジティブな娘は、意を決して金髪青年に話しかけた。
「おまたせ…って、あ!もう食ってる!」
「うっさい、いつまで待たせる気だったのよ」
「いや、それがちょっと話しかけられてさ」
言いつつガウリイ、さっきのウェイトレスを視線で追う。
「オマエとの関係とか聞かれてなぁ。なんだか最近よく聞かれるんだけど。
俺もしかして、誘拐犯かロリコンと間違えられて…」
皆まで言わせずリナのアッパーが決まる。
「なぁにが言いたいのかな~?」
「俺がリナの保護者だって話」
「…」
腰を浮かせていたリナが、すとんと着席する。
とたんに不機嫌になった少女を見ながら、ガウリイは心の中で苦笑する。
(あの娘に聞いたんだぞ。他人扱いはよくて保護者だと怒るってのはどーゆーことだよ)
そこを追求するより、ひとりですねたりあわてたりしているリナを見ているのが楽しい。
なにより、結構油断して色々感情を吐露してしまうリナが可愛くて…。
リナがいつか気がつく日まで、天然ボケキャラで通す気満々のガウリイだった。
おわり
久しぶりにSS書いてみました。ウォーミングアップということで。
注:とあるガウリナサイトにささげる予定なので、ちょっとカップリング入ってます
他人の二人
「やっほー愛しの地鶏ハーブ焼き♪」
「おい、それは俺の…」
「うっさい、さっきあたしのミートボール食べたでしょ。おあいこ!」
「オマエのさっきってのは、三日前のことかぁ?」
質量共にただごとではない料理の山を、舌戦乱戦争奪戦を繰り広げつつ平らげる二人。
旅人…というだけでも珍しいのに、ひとりは魔術師で少女。もうひとりはイカニモ腕の立ちそうな剣
士ときている。
そんな二人が連日この状況。本人たちは『普通に飯を食ってるだけ』と本気で思っているらしいとこ
ろが怖い。
悪目立ちもここまで来れば何かの冗談のようで、周囲は注目どころかむしろ見ないふりモードに突入
している。
昔の人は言いました。触らぬ神にたたりなし。
ところが。
二人がまったく無視されているかというと、そうでもなく。
強そうだと見て絡んでこられたり、厄介ごとを持ちかけられたり。あとは…
「ねえ。ツレの金髪さん、あなたの何?」
こっそり話しかけてくるウェイトレス。という慣れきった状況に、リナがぼんやり考える。
(気になるなら、本人に聞きゃいいのに全く)
「他人よタ・ニ・ン。で、このメニュー端から全部二人前持ってきて」
あっさりと返された娘は、不審げな目で少女を見下ろしている。
「ん、まあ親子や兄妹には見えなかったんだけど…」
呟いて佇むウェイトレスを見上げ、リナは面倒くさそうに返事をした。
「血縁じゃない。同郷でさえないわ。
なにかの約束や誓いがあるわけでもないし。
過去の因縁も未来の契約もなし。
恩もなければ貸し借りもなし。要するに他人、そうでしょ?」
「そうなの…かな?」
娘は思わず自分の両腕を固く抱きしめる。
今まで同年代の女性の口から、こんなクールな言葉を聞いたことがない。
冷静さが、怖い。
すぱりと言い切った少女の口調は、なぜか年齢を超えた重いものを感じさせた。
「あー」
少女が目線で「それで?」と促したので、娘はあわてて口を開く。
「そ、それじゃ私が彼を口説いても全然問題ない…よね?」
「どおぞ~」
本当に?と聞き返しそうになった娘は、口を閉ざしてその場を逃げ出そうとして…。
「あ、最後に言っておくけど」
「はいっ!」
「あたしの食事の邪魔はしないでよね。じゃ、早く注文の品お願い」
飛ぶように厨房へ逃げ込みつつ、娘は首をかしげる。
(あの子にとって、彼は夕食以下なの?)
そんなことはないと思う。彼女の直感が『違う』と告げている。
この店は宿屋も兼ねているから、カップルの客は珍しくない。幼い頃から人を見る目は養ってきたつ
もりだから、虚偽の申請なら見抜く自信もある。
でも、彼らは。あんなに息がぴったりに見えるのに…。
『君がいて僕がいて、世界はふたりのためにある~』と言わんばかりに日々互いの気持ちを確認しあ
っているような凡百のカップルとは、雰囲気が全く違う。
そう思ったから聞いてみたのに。
まさか、あそこまでぴしゃりと切り返されるとは思わなかった。
(なんだろ。私なんかが何をしても無駄、って感じ?)
目の前で扉をがっちり閉められた気分。まだ本人と話もしていないのに。
伝票をカウンター上に吊るしたとき、金髪青年が入ってくるのが見えた。
「…よしっ!」
(戦う前から負けてどうする自分!もしかしたら全部私の勘違いかもしれないんだし。
ぶつかってみなきゃ何も始まらないファイト自分!)
根が素直でポジティブな娘は、意を決して金髪青年に話しかけた。
「おまたせ…って、あ!もう食ってる!」
「うっさい、いつまで待たせる気だったのよ」
「いや、それがちょっと話しかけられてさ」
言いつつガウリイ、さっきのウェイトレスを視線で追う。
「オマエとの関係とか聞かれてなぁ。なんだか最近よく聞かれるんだけど。
俺もしかして、誘拐犯かロリコンと間違えられて…」
皆まで言わせずリナのアッパーが決まる。
「なぁにが言いたいのかな~?」
「俺がリナの保護者だって話」
「…」
腰を浮かせていたリナが、すとんと着席する。
とたんに不機嫌になった少女を見ながら、ガウリイは心の中で苦笑する。
(あの娘に聞いたんだぞ。他人扱いはよくて保護者だと怒るってのはどーゆーことだよ)
そこを追求するより、ひとりですねたりあわてたりしているリナを見ているのが楽しい。
なにより、結構油断して色々感情を吐露してしまうリナが可愛くて…。
リナがいつか気がつく日まで、天然ボケキャラで通す気満々のガウリイだった。
おわり
祝! SS!
……ああ、ブログやってないとnice!ポチれないのね。
久方ぶりのリナとガウリィだ♪
久方ぶりのkonさんのSSだ♪
保護者だとリナ<ガウリィで、
他人だとリナ対等ガウリィな感じ?(いや、リナ≧ガウリィ?)
さ、これからのkonさんSS、待ってますぜ!
by かよぼ (2008-06-08 10:30)
読んでくれてありがとう。
うん、昔散々書きなぐったから、その頃の貯金で何とか書けました。
久しぶりでごめん。我ながら根気がなくなったと思うよ。
何で火がつくか判らないのが萌えの怖さ。
サモンナイト1はどうやら属性じゃなかった模様。2はどうだろう?
by kon (2008-06-09 19:55)