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栗本薫と中島梓 [徒然]

此度の死去の報道を見て、初めて世間では「栗本薫」より「中島梓」の方が知名度が高いのだと知りました。
いくつかの新聞で「評論家中島梓(作家栗本薫)」という報道形式をとっているのを見るまで、思いもしなかった。
今我が家にある彼女の著作200冊近く(うちグインが150冊強)のうち、中島梓名義はわずか一冊なので。
グインを一作と勘定しても、その差は歴然。
私にとって彼女は、栗本薫以外の誰でもないのです。

どんなに偉大な作家でも、必ずお亡くなりになります。
しかし作品は残り続けます。時や場所を越えて、私の手元に在る。
それだけに。
未完の作品はどうしようもなく、せつない。

何度遭遇しても、「未完の作品を抱えた作家さんの死」は悲しいです。
私が読むはずだった作品を、どこかに持って行かれてしまった。
そんな気分が付きまといます。
理不尽な言い分なのはよくわかっています。
作品はすべて丸ごと作者さんの物ですが、それを読んで愛していた読者にも、共有してきた何かがあるんだと主張したい。

ご冥福をお祈りします、と繰り返し口にしていますが。
くやしい、おしい、どうしてくれるんだ。正直な気持ちはこんなものです。

我儘にも程がある、とお叱りを受けるかもしれません。
でもまあ、こちらも作家さんに無理強いをしているわけではなく。作品が出来上がるのを辛抱強く待ち続けているだけの立場なので。
だからもちろん、作品はあって当然なんて思ってないですよ? 読めて嬉しいといつも思っていますよ?
……この熱い気持ちは、新刊をスキップ状態で買いに行くだけではなく、ファンレターという形でお届けするべきなんでしょうか。
書いたこと、一度も無いや。

とにかく。
世に、未完の作品を抱えた作者さんは大勢いらっしゃいます。
そのほとんどは、何らかの事情で絶筆状態のまま。読者はずっと待っています。
しかし、グインは精力的に書き綴られ、これから三国志状態に突入するはずでした。
まったくもって残念無念としか言いようがありません。

乱文で失礼しました。
とある場所で「グインを今まで読んできた方は、どうなさいますか」という一文を目にして、やり場のない悲しさがぶり返してしまったのです。
吐き出し御免。
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kon

>チビさん
niceありがとうございます。
by kon (2009-06-03 07:16) 

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